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今月のTOPIC S
1. 11 月は「過労死等防止啓発月間」
2.令和7 年「賃金引き上げ等の実態に関する調査」
3.障害者雇用制度等の在り方について
障害者手帳を所持していない難病患者の位置付けに関する検討
4.協会けんぽ 給付に関する電子申請サービスについて
5. 健康保険 被扶養者認定要件 「年間収入」の取扱いについて
1. 11 月は「過労死等防止啓発月間」
厚生労働省では、「過労死等防止啓発月間」である11 月に、過労死等をなくすためのシンポジウムやキャンペーン等の取組みを行う。月間中は、各都道府県において「過労死等防止対策推進シンポジウム」を行う他、「過重労働防止キャンペーン」として、長時間労働の是正や賃金不払残業等の解消に向けた重点的な監督指導やセミナーの開催等を行う。 (出典:厚生労働省)
【11 月は「過労死等防止啓発月間」ページ】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64204.html
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2. 令和7 年「賃金引き上げ等の実態に関する調査」
厚生労働省は、令和7 年「賃金引き上げ等の実態に関する調査」の結果を公表した。
令和7 年中に賃金の改定を実施し、または予定していて額も決定している企業および賃金の改定を実施しない企業について、賃金の改定状況をみると、「1 人平均賃金(※)改定額」は13,601 円(前年11,961 円)、「1 人平均賃金の改定率」は4.4%(前年4.1%)となっている。「1 人平均賃金の改定率」は、比較可能な平成11 年以降、最高の数値となった。(※「1 人平均賃金」とは所定内賃金(諸手当を含み、時間外・休日・深夜等の割増手当、慶弔手当等の特別手当を含まない)の1 か月1 人あたりの平均額を言う。)
同調査は、労働者を100 人以上雇っている民間企業を対象に7〜8 月にかけて実施され、1847 社から有効回答を得た。 (出典:厚生労働省)
【令和7(2025)年「賃金引上げ等の実態に関する調査」の結果を公表します(報道発表用資料)】
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/jittai/25/dl/09.pdf
【令和7 年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況】
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/jittai/25/index.html
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3. 障害者雇用制度等の在り方について
障害者手帳を所持していない難病患者の位置付けに関する検討
厚生労働省の有識者会議である「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会」は、事業主に義務付けられている障害者雇用率に、障害者手帳を持たない難病患者も含めての算定を可能とすることを検討していくとした。
障害者手帳を申請したが不認定となった一部の難病患者について、手帳を保持する障害者と同等以上に、就職活動や職場への適応、就職継続が困難となっている者がいることを示す調査結果がでた。手帳が得られていない難病患者については、本人からの申請により、医師の意見書等も勘案しながら、職業生活への制限の程度を個別判定し、一定の水準にある場合は、実雇用率において一定の算定を可能とする方向性が示された。
(出典:厚生労働省)
【第8 回「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会」(資料)】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64238.html
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4. 協会けんぽ 給付に関する電子申請サービスについて
協会けんぽは、保険給付や検診、広報等に関する利便性向上を目的として、「けんぽアプリ」をリリースする。行政サービスのデジタル化の一環としての取組みで、令和8 年1 月には、電子申請やコンテンツ配信を中心としたサービスのスタートを予定している。
「けんぽアプリ」のサービス開始後は、利用者の声や得られたデータを検証しながら、段階的に機能拡充を行うとしており、順調に進めば、マイナンバーカードを利用して資格情報を取得することにより、スマートフォンアプリから傷病手当金や出産手当金等の申請を行うことができるようになる。
(出典:全国健康保険協会)
【協会けんぽDX について(電子申請、けんぽアプリ)】
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/direction/dai137kai/2025091009.pdf
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5. 健康保険 被扶養者認定要件 「年間収入」の取扱いについて
健康保険の被扶養者認定における「年間収入」の取扱いについて、労働契約の段階では見込み難い時間外労働に対する賃金等は、「年間収入」から除いて判定するとした通知が保険者向けになされた。雇用契約書等の書面において定められた時給・労働時間・日数から算出した年間収入の見込み額が130万円未満であることが確認できる者が、本通知による取扱いの対象者となる。
被扶養者の年間収入は、認定対象者の過去・現時点・将来の収入見込みなどから、所定外賃金の見込みを含めた今後1年間の収入見込みにより判定しているところ、本通知による取扱いにより、雇用契約書等に明確な規定がなく、あらかじめ金額を見込み難い時間外労働に対する賃金等は、被扶養者認定における年間収入には含まれないことになる。
本通知による取扱いは、令和8 年4 月1 日から適用される。
(出典:厚生労働省)
【労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取扱いについて】
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T251006S0060.pdf
【労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定 における年間収入の取扱いに係るQ&Aについて】
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T251006S0070.pdf
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編集後記
憲政史上初めての女性首相誕生のニュースに日本中が沸き立つ中、やはり気になるのは、労働法制のこれからのことです。働き方改革関連法は施行から 5 年を過ぎた時点で見直す規定があり、厚生労働省の審議会でも議論が本格化しているなか、新首相が、現行の労働時間規制の緩和を検討するよう厚生労働相に指示したとの報道もありました。
企業の労務を取り巻く環境が目まぐるしく変わる昨今ですが、大槻事務所は引き続き、『働きやすい会社から働きやすい社会へ』の理念のもと、貴社の働きやすい環境づくりを精一杯サポートさせていただきます。
【柳田 恵里】
【発行元・お問合せ】
社会保険労務士法人大槻経営労務管理事務所
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