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今月のTOPIC S

1. 脳・心臓疾患の労災認定基準の改正に向け検討会が報告書を公表

2. 最低賃金引き上げに向け中央最低賃金審議会が目安を答申

3. 「裁量労働制実態調査」の結果が公表

4. 雇用調整助成金の9月末までの延長予定を発表

5. 「令和2年度個別労働紛争解決制度の施行状況」が公表


1.脳・心臓疾患の労災認定基準の改正に向け検討会が報告書を公表

厚生労働省の「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」は、脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する報告書を取りまとめ、公表した。(令和3年7月16日)

現行基準に新たに取入れることが適切と判断されているものについては次の通り。

1.「長時間にわたる疲労の蓄積」(「長期間の過重業務」)について

・労働時間のみで業務と発症との関連性が強いと認められる水準には至らないが、これに近い時間外労働が認められ、これに加えて一定の労働時間以外の負荷が認められるときには、業務と発症との関連性が強いと評価できることを明示

・労働時間以外の負荷要因として、「休日のない連続勤務」、「勤務間インターバルが短い勤務」および「身体的負荷を伴う業務」を新たに規定し、他の負荷要因も整理

2. 「発症に近接した時期の急性の負荷」(「異常な出来事」と「短期間の過重業務」)について

・「発症前おおむね1週間に継続して深夜時間帯に及ぶ時間外労働を行う等過度の長時間労働が認められる場合」等、業務と発症との関連性が強いと判断できる場合を明確化

3.認定基準対象疾病について

・「重篤な心不全」を追加

(出典 厚生労働省)

【厚生労働省HP】

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html

https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/000806834.pdf(クリックすると外部サイトに移動します)

2.最低賃金引き上げに向け中央最低賃金審議会が目安を答申

厚生労働省の諮問機関「中央最低賃金審議会」は、2021年度の地域別最低賃金(時給)をA~Dランク全ての都道府県において一律28円引き上げるよう答申を出した。(令和3年7月16日)

引き上げ幅は過去最高で、全国平均で現在の902円から930円を目安とした。経営者側は新型コロナウイルスの感染拡大による経済悪化を理由に、現状維持を求め、引き上げを求める労働者側と対立したが、「全国加重平均1000円」を目指す政府方針を背景に引き上げる方向で決着した。ただし、鳥取県等7県の最低額792円と、最高額である東京の1013円の差221円は引き続きそのままとなり、地域格差の問題は残ったままとなった。

これを参考に都道府県ごとの審議会で引き上げ額が決定され、10月ごろ全国で新たな最低賃金が適用される。

 ※「地域別最低賃金」よりも金額水準の高い最低賃金が定められている「特定(産業別)最低賃金」の確認も引き続き必要である。

(出典 厚生労働省)

【厚生労働省】

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19902.html

(クリックすると外部サイトに移動します)

3. 「裁量労働制実態調査」の結果が公表

厚生労働省は「裁量労働制実態調査」の結果を取りまとめ、公表した。(令和3年6月25日)

調査は、「専門業務型」と「企画業務型」それぞれの裁量労働制の適用・運用実態や裁量労働制の適用・非適用による労働時間の差異等を把握することを目的に実施したものである。調査結果によると、適用労働者がいる適用事業場の1ヶ月の一人あたり平均労働時間は171時間36分、1ヶ月の労働日数の平均は19.64日、非適用事業では、同169時間21分、1ヶ月の労働日数の平均は20.12日だった。厚労省では、今回の調査結果をもとに、裁量労働制のあり方について議論することにしている。

裁量労働制に対する意見については、専門型裁量労働制の適用労働者がいる適用事業場では、「特に意見はない」(39.5%)が最多で「今のままでよい」(37.9%)、「制度を見直すべき」(15.8%)の順で多い。また、企画型裁量労働制の適用労働者がいる適用事業場においては、「制度を見直すべき」(39.7%)が最も高く、次いで、「今のままでよい」(33.9%)、「特に意見はない」(23.8%)の順になっている。

専門型裁量労働制の適用労働者の意見としては、「今のままでよい」(33.0%)が最も高く、次いで、「特に意見はない」(28.8%)、「制度を見直すべき」(28.3%)の順に多い。企画型裁量労働制の適用労働者では、「今のままでよい」(41.0%)が最も高く、次いで、「特に意見はない」(26.4%)、「制度を見直すべき」(26.0%)という結果となっている。また、適用労働者における満足度は「満足している」(41.8%)が最も高く、次いで、「やや満足している」(38.6%)、「不満である」(14.6%)の順で多くなっている。

(出典 厚生労働省)

【厚生労働省HP】

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19508.html

(クリックすると外部サイトに移動します)

4.雇用調整助成金の9月末までの延長予定を発表

厚生労働省は、8月末までとなっている新型コロナウイルス感染症にかかわる雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の特例措置を9月末まで延長する予定であることを発表した。(令和3年7月8日)

東京都が4回目の緊急事態宣言区域となり、埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府でもまん延防止等重点措置が延長されたことを踏まえた。10月以降は、雇用情勢を踏まえながら検討し、8月中に告知する。

(出典 厚生労働省)

【厚生労働省HP】

https://www.mhlw.go.jp/stf/r309cohotokurei_00001.html

(クリックすると外部サイトに移動します)

5.「令和2年度個別労働紛争解決制度の施行状況」が公表

厚生労働省は「令和2年度個別労働紛争解決制度の施行状況」をまとめ、公表した。総合労働相談件数は前年度より増加。助言・指導申出の件数、あっせん申請の件数は前年度より減少した。総合労働相談件数は129万782件で、13年連続で100万件を超え、高止まりとなった。

また、民事上の個別労働紛争の相談件数、助言・指導の申出件数、あっせんの申請件数の全項目で、「いじめ・嫌がらせ」の件数が引き続き最多となった。

※令和2年6月労働施策総合推進法が施行され、大企業の職場におけるパワーハラスメントに関する個別労働紛争は同 法に基づき対応することとなったため、同法施行以降の大企業の当該紛争に関するものはいじめ・嫌がらせに計上されていない。

(出典 厚生労働省)

【厚生労働省HP】

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_19430.html

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編集後記 

厳しい暑さが続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

コロナ禍が収束しない中、オリンピックを迎えました。スポーツ好きな私はオリンピックのチケットを複数種目で持っており楽しみにしていたのですが観戦の夢は叶わず、ですが不本意な状況においても今自分にできることを精一杯おこない準備し続けてきた選手達には本当に頭の下がる思いです。

大槻事務所でも、皆様が法改正に対応する準備ができるよう常に最新の情報を正確にお届けしてまいりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

【永野 奈々】

【発行元・お問合せ】

社会保険労務士法人大槻経営労務管理事務所

〒104-0061

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