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今月の配信情報

1.深夜休日労働の見直し提言 テレワーク、労働時間管理簡略化も

2.厚労省、出産直後の男性育休促進 改正法案提出へ

3.行政手続における押印原則の見直しに関するQ&Aを公表

4.「産業雇用安定助成金(仮称)」創設へ

5.国民年金法等の一部改正に伴う整備政令が公布 申請全額免除の対象拡大、脱退一時金支給上限月数引き上げ等

1.深夜休日労働の見直し提言 テレワーク、労働時間管理簡略化も

厚生労働省の有識者検討会は12月25日、「これからのテレワークでの働き方に関する検討会報告書」を公表した。報告書は、テレワークの実施に際しての労務管理上の課題や労働時間管理の在り方について、有識者の意見をまとめたもの。
 現在のガイドラインは、深夜・休日労働について原則禁止と例示しているのに、所定労働時間内の労働を深夜に行うことまで原則禁止と誤解されているとして、表現の見直しを提言した。またテレワークは長時間労働になる可能性があり、過度な長時間労働にならないよう、使用者が労働時間を適切に把握することが重要であるとした。
 一方、テレワークを細かく管理すると、テレワークの利点が失われかねないと指摘。申告と実際の労働時間が異なっても、使用者が知らなかった場合は労働基準法上の責任を問われないことを明確化する。また宅配便の受け取りや子どもの世話といった「中抜け」が生じることも想定されることから、休みと仕事時間を厳格に区別する運用を緩め、始業と終業の時間だけを把握すればよいとするなど時間管理の簡略化も求めた。
 その他、雇用形態の違いのみを理由にテレワーク対象者を分けたり、テレワークをしたかどうかで人事評価を変えたりすることは、いずれも不適切だと明記した。
 厚生労働省は報告書を基に検討を進め、年度内にガイドラインを改定する予定だ。テレワークを巡っては新型コロナウイルス感染防止を狙い、導入が急増。ガイドラインが実態に合わないとして、政府の成長戦略会議などで見直しを求める声が強まっていた。                                   (出典 厚生労働省)

【厚生労働省 HP】

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_15768.html(クリックすると外部サイトに移動します)

2. 厚労省、出産直後の男性育休促進 改正法案提出へ

男性の育児休業取得を巡り、厚生労働省は12月24日、労働政策審議会の分科会に促進策をまとめた報告案を示した。産後鬱など妻の負担を減らすため、子どもの誕生から8週間は夫も柔軟に仕事を休めるようにする新制度を設けることが適当であるとした。企業に対しては、子どもが生まれる従業員一人一人への育休取得を働きかけるよう義務付ける。
 当該新制度は、妻の出産から8週の間に夫のみが利用できる育休の特例措置だ。通常の育休は1カ月前申請が原則だが、2週間前までの申請でよく、計4週分を2回まで取れるのが特徴だ。妻の退院時と里帰りから戻る時に、夫が2週間ずつ休みを取って付き添うといった使い方が想定されている。通常の育休と同様に雇用保険からの給付金が支給される。
 取得の働き掛けは男女双方の従業員が対象で、企業に対し子どもが生まれる前に、政府や社内の育休制度を個別に説明して取得を促す義務を課す。上司による面談やパンフレットの配布など幅広い手段を認める方向だ。育休に関する研修の実施や、相談窓口の設置といった休みやすい職場環境づくりも義務化する。
 このほか、原則1回しか取れない育休を夫婦それぞれが2回に分けて取れる分割制度を導入することや、くるみんおよびプラチナくるみんの認定基準の見直しを行うこと、3つ目の新たな類型「トライくるみん(仮称)」を創設することが適当だとしている。

(出典 厚生労働省)

【厚生労働省 HP】https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/000710972.pdf
(クリックすると外部サイトに移動します)

3. 行政手続における押印原則の見直しに関するQ&Aを公表

厚生労働省は、令和3年4月1日に施行される労働基準法施行規則等の一部を改正する省令に関するQ&A~行政手続における押印原則の見直し~を公表した。
 36協定等の労働関係法の届出様式等の押印を廃止し、過半数代表者の記載のある様式については、チェックボックスにチェックする方式に変更される。新旧どちらの届出様式を使用するかについては、原則届出日が施行日前であれば旧様式、届出日が施行日以降であれば新様式を使用することになる。ただし、届出日が施行日前でも新様式の使用は可能であり、また届出日が施行日以降でも、チェックボックスを追記する等すれば当面の間旧様式の使用は可能だ。
 また、使用者や労働者の押印または署名が省略できるのは施行日以降に届出を行う場合であるが、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、施行日前であっても、押印又は署名を省略することができる。

(出典 厚生労働省)

【厚生労働省 HP】

https://www.mhlw.go.jp/content/000709033.pdf(クリックすると外部サイトに移動します)

4. 「産業雇用安定助成金(仮称)」創設へ

厚生労働省は、雇用関係を維持しながら他社に従業員を出向させる「在籍出向」を推進する新たな助成金制度の概要を公表した。年度内に助成金の申請を受け付ける方針だ。
 新設する助成金の名称は「産業雇用安定助成金(仮称)」。新型コロナウイルス感染症の影響により事業活動の一時的な縮小を余儀なくされた事業主が、出向により労働者の雇用を維持する場合、出向元と出向先の双方の事業主に対して助成する。雇用維持を図るための助成のため、出向期間終了後は元の事業所に戻って働くことが前提だ。助成対象は、賃金や教育訓練費といった出向運営経費、出向に伴い必要となる新たな就業規則や機器の整備などにかかる出向初期経費。出向運営経費の助成率は、出向元が労働者の解雇などを行っていない場合、中小企業が最大10分の9、大企業は最大4分の3。日額の上限額は従業員1人当たり1万2千円。出向初期経費の助成額は、1人につき定額10万円で、異業種からの受け入れなど、一定の条件を満たす場合は1人当たり5万円を加算する。

(出典 厚生労働省)

【厚生労働省 HP】

https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000712906.pdf(クリックすると外部サイトに移動します)

5.国民年金法等の一部改正に伴う整備政令が公布 申請全額免除の対象拡大、脱退一時金支給上限月数引き上げ等

「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」の一部施行に伴い、「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備に関する政令」が12月23日、公布された。令和3年4月1日に施行される。
 現在国民年金法に規定する寡婦について、改めて国民年金保険料の申請全額免除の対象者として国民年金法施行令に規定する。加えて、地方税法において、令和3年1月1日より未婚のひとり親が個人住民税の非課税措置の対象として定義されることに伴い、地方税法上の未婚のひとり親についても、新たに国民年金保険料の申請全額免除の対象者として国民年金法施行令に規定する。地方税法上の寡夫についても併せて対象に加える。また、令和2年地方税改正法により、寡婦、寡夫および単身児童扶養者が寡婦およびひとり親に再編されることに伴い、申請全額免除の対象者にひとり親を追加する。
 日本に短期滞在する外国人に対する特例的な給付である脱退一時金について、当該支給上限月数を現行の36月(3年)から60月(5年)に引き上げる。
 その他、年金生活者支援給付金の所得要件の判定に用いる所得情報の切替月見直し等が行われる。

(出典 厚生労働省)

【厚生労働省 HP】

https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T201223T0010.pdf(クリックすると外部サイトに移動します)

編集後記 

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、テレワークや在籍出向を検討、実施する企業が増加しています。しかし、新たな制度の導入にあたっては疑問点が生じることも多く、労力もかかります。その結果導入を躊躇したり、時には見送ってしまうこともあるのではないでしょうか。制度や助成金について、従業員の働きやすさ向上のためにも、大槻タイムズを有効に活用していただければと思います。弊所からも随時情報を発信していきますので、ご活用ください。

【糸谷 有希子】

【発行元・お問合せ】

社会保険労務士法人大槻経営労務管理事務所

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