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今月のTOPIC S

1.令和3年4月1日から現物給与の価額が改正・適用

2.令和3年4月1日から常時雇用する労働者数が301人以上の企業において正規雇用労働者の中途採用比率の公表が義務化

3.令和3年4月から賞与支払届等に係る総括表が廃止

4.令和3年度からキャリアアップ助成金が変更

5.テレワークガイドラインを改定・公表


1.令和3年4月1日から現物給与の価額が改正・適用

厚生労働省は、「厚生労働大臣が定める現物給与の価額」の一部を改正し、令和3年4月1日から適用することを公表した。
  厚生年金保険および健康保険の被保険者が、勤務する事業所より労働の対償として現物で支給されるものがある場合は、その現物を通貨に換算し報酬に合算のうえ、保険料額算定の基礎となる標準報酬月額を求めることになるが、現物で支給されるものが食事や住宅である場合は、「厚生労働大臣が定める現物給与の価格」(厚生労働省告示)に定められた額に基づいて通貨に換算する。今回の改正では「食事で支払われる報酬等」および「住宅で支払われる報酬等」に係る現物給与の価額が増額となり、Q&A付きの資料が日本年金機構から公表された。

(出典 厚生労働省)

【日本年金機構HP】

https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/hoshu/20150511.files/2021.pdf(クリックすると外部サイトに移動します)

2.令和3年4月1日から常時雇用する労働者数が301人以上の   企業において正規雇用労働者の中途採用比率の公表が義務化

労働施策総合推進法が改正され、令和3年4月1日から中途採用比率の公表が義務化される。常時雇用する労働者が301人以上の企業は、求職者が容易に閲覧できるかたちで「直近の3事業年度の各年度について、採用した正規雇用労働者の中途採用比率」の公表が必要となる。今回の改正は、労働者の主体的なキャリア形成による職業生活のさらなる充実や再チャレンジが可能となるよう、中途採用に関する環境整備を推進することを目的とし、企業が長期的な安定雇用の機会を中途採用者にも提供している状況を明らかにすることで、中途採用を希望する労働者と企業のマッチングを促進することが趣旨となる。
  公表は、年に1回、公表した日を明らかにしてインターネットの利用やその他の方法(事業所への掲示や書類の備え付け等、求職者等が容易に閲覧できる方法)で行う。初回の公表については、法施行(令和3年4月1日)後の最初の事業年度内に、2度目以降は前回の公表からおおむね1年以内に可能な限り速やかに行うこととなる。

(出典 厚生労働省)

【厚生労働省HP】
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000737262.pdf
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/career.html
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3.令和3年4月から賞与支払届等に係る総括表が廃止

日本年金機構は、事務手続きの利便性向上から、賞与支払届・算定基礎届の提出の際に添付していた総括表の廃止と、「賞与不支給報告書」の新設を公表した。廃止となるのは「健康保険・厚生年金保険 被保険者月額算定基礎届総括表」「健康保険・厚生年金保険 被保険者賞与支払届総括表」「船員保険・厚生年金保険 被保険者賞与支払届総括表」となる。なお、日本年金機構に登録した賞与支払予定月に被保険者および70歳以上の被用者に対して賞与を支給しなかった場合には、「賞与不支給報告書」の提出が必要となる。

(出典 日本年金機構)

【日本年金機構HP】

https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2021/202103/20210304.html

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4.令和3年度からキャリアアップ助成金が変更

厚生労働省は、令和3年4月から正社員化コース、諸手当制度等共通化コース(令和2年度における諸手当制度共通化コースの名称変更)、選択的適用拡大導入時処遇改善コース、短時間労働者労働時間延長コースに関する要件の変更、健康診断制度コースの諸手当制度等共通化コースへの統合および障害者正社員化コースの新設を公表した。
   正社員化コースでは、正規雇用等へ転換等をした際、転換等の前後6カ月の賃金を比較し、5%以上増額していることが現行の要件であったが、今回の変更では3%以上の増額に引き下げ、比較する賃金には賞与を含めないこととした。また、加算措置のうち、「若者雇用促進法に基づく認定事業主が35歳未満の者を転換等した場合」を廃止し、新たに短時間正社員制度を追加した。諸手当制度等共通化コースでは、対象となる手当を11項目から、賞与・家族手当・住宅手当に加え、新たに退職金・健康診断制度の2項目を加えた5項目とし、賞与については6カ月分相当として50,000円以上支給、家族手当・住宅手当については1カ月分相当として1つの手当に付き3,000円以上支給、退職金については月3,000円以上積立てを行った事業主を対象としている。
  また、選択的適用拡大導入処遇改善コースでは、令和2年度限りとしていた時限措置を、令和4年9月末まで延長(従業員が100人超える事業主は、一部の加算措置を除き令和3年9月末まで)、短時間労働者労働時間延長コースでも令和4年9月末まで延長となった。

(出典 厚生労働省)

【厚生労働省HP】

https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000748772.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000734976.pdf

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5.テレワークガイドラインを改定・公表

厚生労働省は3月25日、テレワークをウィズコロナ・ポストコロナの「新たな日常」、「新しい生活様式」に対応した働き方であると同時に、働く時間や場所を柔軟に活用することのできる働き方として、使用者が適切に労働管理を行いながら、労働者が安心して働くことのできる形で良質なテレワークを推進、定着することができるよう、「情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入および実施のためのガイドライン」(平成30年2月)を、「テレワークの適切な導入および実施の推進のためのガイドライン」に改定をした。
  昨年12月に開催された分科会では、正規・非正規を理由とした対象者選別の際の差別や、長時間労働対策として、労使の合意により時間外等の労働が可能となるようあらかじめ設定をしておく等のルールについて示していたが、今回の改定で、「雇用形態の違いのみを理由としてテレワークを除外することのないよう留意する」、「パソコンの起動時間や従業員の自己申告で労働時間の把握をすること」と明記される等、テレワーク導入に際しての留意点、労務管理上の留意点、ルールの策定と周知、さまざまな労働時間制度の活用、テレワークにおける労働時間管理の工夫、安全衛生の確保、労働災害の補償、ハラスメントへの対応、セキュリティの対応が盛り込まれている。

  (出典 厚生労働省)

【厚生労働省HP】

https://www.mhlw.go.jp/content/000759469.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/000759470.pdf

編集後記 

2022年新卒予定者の就職活動がはじまりました。「在宅勤務等、新型コロナウイルス感染症から従業員を守る施策を行っている」ことが、就職先選びを行ううえで重要だと考える就活者が増えているそうです。世界中の企業が新型コロナウイルスにより働き方の見直しを迫られているなか、ニューノーマルの時代にあった対策をいち早く講じることが、優秀な人材の確保につながるのかもしれません。テレワークガイドラインもより詳細なものに改定されますので、これを機に、在宅勤務の内容を確認していただければと思います。

【横島 綾乃】

【発行元・お問合せ】

社会保険労務士法人大槻経営労務管理事務所

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