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今月のTOPIC S
- デジタル社会の実現に向けた重点計画が閣議決定
- 令和4年7月以降の雇用調整助成金の特例措置等
- 令和4年7月以降の小学校休業等助成金・支援金
- 東京都が4月の都内企業のテレワーク実施率を公表
- 女性活躍・男女共同参画の重点方針2022が決定
1. デジタル社会の実現に向けた重点計画が閣議決定
令和4年6月7日「デジタル社会の実現に向けた重点計画」が閣議決定された。マイナンバーカードが持つ本人確認・認証機能をデジタル社会の基盤として徹底的に活用していくため、その用途の充実や取り組みへの支援を強化するとともに電子証明書のみならず空き容量を含めさらなる活用を推進する。普及および利用の推進についての概要は以下の通りである。
(1)マイナンバーカードの健康保険証としての利用の推進
診療時における確実な本人確認と保険資格確認を可能とし、医療保険事務の効率化や患者の利便性の向上等を図るため、オンライン資格確認について、保険医療機関・薬局に令和5年4月から導入を原則として義務付けるとともに、導入が進み、患者によるマイナンバーカードの保険証利用が進むよう、関連する支援等の措置を見直す。令和6年度中を目途に保険者による保険証発行の選択制の導入を目指し、さらにオンライン資格確認の導入状況等を踏まえ、保険証の原則廃止を目指す。また、訪問診療・訪問看護等のオンライン資格確認の仕組みの構築を進めるとともに、マイナンバーカードの機能(電子証明書)のスマートフォン搭載に対応したオンライン資格確認の検討を進める。
(2)マイナンバーカードと運転免許証との一体化の実現
令和6年度末にマイナンバーカードとの一体化を開始する。これに先立ち、警察庁および都道府県警察の運転免許の管理等を行うシステムを令和6年度末までに警察庁が整備する共通基盤(警察共通基盤)上に集約する。また、当該一体化に伴う相当の行政コストの削減効果が得られる場合は、関係省庁と連携し、マイナンバーカードの普及促進の観点も踏まえ、運転免許証の更新手数料の引き下げ等利用者負担の軽減を検討する。
(3)マイナンバーカードと在留カードとの一体化の実現
中長期在留外国人がより高い利便性を得られるものとするための検討を更に深め、関係府省庁において法令等の整備およびシステム改修を経て、令和7年度から一体化したカードの交付開始を目指す。
(4)マイナンバーカードの機能(電子証明書)のスマートフォンへの搭載の実現
令和3年度に実施した技術検証・システム設計の結果を受け、令和4年度中の運用開始を目指し、システム構築や関係事業者との調整を進める。電子証明書の機能だけでなく、券面入力補助機能等、マイナンバーカードの持つ他の機能についてもスマートフォンへの搭載方法を検討する。
(5)マイナンバーカードの国外継続利用の実現
令和6年度中の国外継続利用の開始に向け、在外公館でのマイナンバーカードの交付等の検討を進める。また、本開始に伴いマイナンバー制度を活用した海外在留邦人に対する円滑な領事業務の在り方の検討を進める。
(6)マイナンバーカードの電子証明書の円滑な発行・更新等
郵便局におけるマイナンバーカードの電子証明書の発行・更新や暗証番号の初期化・再設定手続きを実施する等、電子証明書の発行・更新等の円滑な実施を図る。
(7)公的個人認証サービスにおける本人同意に基づく最新の住所情報等の提供
住民本人の変更後の基本4情報(氏名、生年月日、性別および住所)等の署名検証者への提供に関する制度の施行(デジタル社会形成整備法の施行)に向けて、政省令等の整備を着実に進め、令和4年度に本人の同意を前提に基本4情報等を本人の手続きなしで署名検証者に提供するサービスを開始することを目指す。
(8)全業所管官庁等を通じた計画的な取組
全業所管府省庁ごとに工程表を作成し、関係業界団体等に対してマイナンバーカードの普及と健康保険証利用についての要請を行うとともに、説明会を開催する等により企業等におけるマイナンバーカードの積極的な取得と利活用の促進を推進する。なお、業界毎に取得目標を設定し、アンケート調査等により定期的なフォローアップを実施する等、積極的に取組む。
【デジタル庁HP】
https://www.digital.go.jp/policies/priority-policy-program/
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2. 令和4年7月以降の雇用調整助成金の特例措置等
新型コロナウイルス感染症にかかわる雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の特例措置について、令和4年7月以降の助成内容は令和4年6月時点の助成率や上限額を変更することなく、令和4年9月まで延長する予定となることが公表された。令和4年10月以降の取扱いについては、「経済財政運営と改革の基本方針2021(令和3年6月18 日閣議決定)」に沿って、雇用情勢を見極めながら具体的な助成内容を検討のうえ、8月末までに改めて公表する予定。
【厚生労働省HP 】
https://www.mhlw.go.jp/stf/r407cohotokurei_00001.html
https://www.mhlw.go.jp/content/11704000/000933593.pdf(クリックすると外部サイトに移動します)
3.令和4年7月以降の小学校休業等助成金・支援金
(1)小学校休業等対応助成金・支援金
①小学校休業等対応助成金 (労働者を雇用する事業主向け)
休暇中に支払った賃金相当額×10/10を助成する点に変更はない。
日額上限について、令和4年6月時点の金額(原則9,000円、特例15,000円)となる予定。
②小学校休業等対応支援金 (委託を受けて個人で仕事をする方向け)
就業できなかった日について、1日あたり定額で支給する点に変更はない。
支給額について、令和4年6月時点の金額(原則4,500円、特例7,500円)となる予定。
(2)小学校休業等対応助成金に関する特別相談窓口の設置期間の延長
小学校休業対応助成金に関する相談に対応するため、「小学校休業等対応助成金に関する特別相談窓口」を、令和4年9月30日までの期間、全国の都道府県労働局に設置している。この設置期間も、延長する予定。
(3)新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の仕組みによる申請
労働局からの本助成金の活用の働きかけに事業主が応じない場合に、令和4年6月末までに取得した休暇と同様に、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の仕組みにより、労働者が個人で申請できることとする対応も、令和4年9月末までに取得した休暇について行う予定。
【厚生労働省HP 】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25972.html
https://www.mhlw.go.jp/content/11704000/000933593.pdf(クリックすると外部サイトに移動します)
4.東京都が令和4年4月の都内企業のテレワーク実施率を公表
東京都は令和4年4月の都内企業のテレワーク実施率を公表した。結果は以下の通りである。
(1)都内企業(従業員30人以上)のテレワーク実施率は52.1%。3月の前回調査(62.5%)に比べて10.4ポイント減少。
(2)テレワークを実施した社員の割合は45.6%と、前回(46.1%)に比べて、0.5ポイント減少。
(3)テレワークの実施回数は、週3日以上の実施が47.8%と、前回(49.3%)に比べて、1.5ポイント減少。
【東京都HP 】
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2022/05/16/09.html
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5.女性活躍・男女共同参画の重点方針2022が決定
政府は令和4年6月3日、「女性活躍・男女共同参画の重点方針 2022」を決定した。その中で男女間の賃金の差異について、以下のとおり女性活躍推進法に基づき、開示の義務化を行うこととした。
・情報開示は、連結ベースではなく、企業単体ごとに求める。ホールディングス(持株会社)も当該企業について開示を行う。
・男女の賃金の差異は、全労働者について、絶対額ではなく、男性の賃金に対する女性の賃金の割合で開示を求めることとする。加えて、同様の割合を正規・非正規雇用に分けて、開示を求める。
・男女の賃金の差異の開示に際し、説明を追記したい企業のために、説明欄を設ける。
・対象事業主は、常時雇用する労働者301人以上の事業主とする。101人~300人の事業主については、その施行後の状況等を踏まえ、検討を行う。
・金融商品取引法に基づく有価証券報告書の記載事項にも、女性活躍推進法に基づく開示の記載と同様のものを開示するよう求める。
・本年夏に、制度(省令)改正を実施し、施行する。初回の開示は、他の情報開示項目とあわせて、本年7月の施行後に締まる事業年度の実績を開示する。
・国・地方公共団体についても同様に女性活躍推進法に基づく開示を行う。
【男女共同参画局HP 】女性活躍・男女共同参画の重点方針
https://www.gender.go.jp/policy/sokushin/sokushin.html
【厚生労働省HP 】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26311.html
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編集後記
皆様、社会保険の手続きや細かい法改正への対応など、日々大変な思いをされていませんでしょうか。大槻事務所では皆様のお力になりたいと思い、常に最新の情報を発信しています。皆様のご不安な点を解消できるよう日々努めてまいりますので、大槻タイムズに掲載されている事項のみならず、どんな問題でもいつでもお気軽にお問合せ下さい。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。 【二宮武敏】
【発行元・お問合せ】
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