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今月のTOPIC S

  1. 労災保険料算出に用いる労災保険率の改定
  2. 仕事と育児・介護の両立支援対策の充実について公表
  3. 令和5年高年齢者雇用状況等の集計結果の公表
  4. 令和5年障害者雇用状況の集計結果の公表
  5. 副業・兼業における割増賃金の支払いにかかわる労働時間の通算
    管理の検討
  6. 高度プロフェッショナル制度の適用労働者アンケート調査の実施
  7. 令和6年能登半島地震に伴う雇用調整助成金の特例を実施

1. 労災保険料算出に用いる労災保険率の改定

厚生労働大臣は、令和5年12月22日に労働政策審議会に対して、「労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱」について諮問を行った。これを受け、同審議会で審議が行われ、いずれも妥当であると答申された。

この改正省令案要綱については、事業主が支払う労災保険料算出に用いる労災保険率の改定等を主な内容としており、労災保険率は、業種ごとに、それぞれの業種の過去3年間の災害発生状況等を考慮し、原則3年ごとに改定をしている。厚生労働省では、令和6年4月1日の施行に向け、改正作業を進めることとしている。
省令 案のポイントは以下の通り。

1. 労災保険率を業種平均で0.1/1000引下げる(4.5/1000→4.4/1000)
 全54業種中、引下げとなるのが17業種、引上げとなるのが3業種
2. 一人親方等の特別加入にかかわる第2種特別加入保険料率を改定する
 全25区分中、引下げとなるのが5区分
3. 請負による建設の事業にかかわる労務費率(請負金額に対する賃金総額の割合)を改定する

(出典 厚生労働省)

【厚生労働省HP】

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37107.html
https://www.mhlw.go.jp/content/11401000/001184407.pdf
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2. 仕事と育児・介護の両立支援対策の充実について公表

厚生労働省の労働政策審議会は、令和5年12月26日に厚生労働大臣に対して、「仕事と育児・介護の両立支援対策の充実について」建議を行った。厚生労働省はその結果を公表した。

この建議の内容を踏まえて法律案要綱を作成し、労働政策審議会に諮問する予定となっている。建議された必要な措置の具体的内容は以下の通り。

1. 子の年齢に応じた両立支援に対するニーズへの対応
2. 仕事と育児の両立支援制度の活用促進
3. 次世代育成支援に向けた職場環境の整備
4. 介護離職を防止するための仕事と介護の両立支援制度の周知の強化等
5. 個別のニーズに配慮した両立支援について
6. 仕事と育児・介護との両立支援に当たって必要な環境整備(プライバシーへの配慮等)

(出典 厚生労働省)

【厚生労働省HP】

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000073981_00011.html

https://www.mhlw.go.jp/content/001184058.pdf

https://www.mhlw.go.jp/content/001184059.pdf

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3. 令和5年高年齢者雇用状況等の集計結果の公表

厚生労働省は、令和5年「高年齢者雇用状況等報告」(6月1日現在)の集計結果を取りまとめ公表した。

「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」では、65歳までの雇用の確保を目的として、「定年制の廃止」や「定年の引上げ」、「継続雇用制度の導入」のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を講じるよう、企業に義務付けている。加えて、70歳までの就業機会の確保を目的として、「定年制の廃止」や「定年の引上げ」、「継続雇用制度の導入」という雇用による措置や、「業務委託契約を締結する制度の導入」、「社会貢献事業に従事できる制度の導入」という雇用以外の措置のいずれかの措置(高年齢者就業確保措置)を講じるように努めることを企業に義務付けている。今回の集計結果は従業員21人以上の企業237,006社からの報告に基づいたものである。集計結果の主なポイントは次の通り。

1. 65歳までの高年齢者雇用確保措置の実施状況
   65歳までの高年齢者雇用確保措置を実施済みの企業は99.9%
   「継続雇用制度の導入」により実施している企業が69.2%(1.4ポイント減少)
   「定年の引上げ」により実施している企業は26.9%(1.4ポイント増加)
2. 70歳までの高年齢者就業確保措置の実施状況
  70歳までの高年齢者就業確保措置を実施済みの企業は29.7%(1.8ポイント増加)
   中小企業では30.3%(1.8ポイント増加)
   大企業では22.8%(2.4ポイント増加)
3. 企業における定年制の状況
  65歳以上定年企業(定年制の廃止企業を含む)は30.8%(1.4ポイント増加)
4. 66歳以上まで働ける制度のある企業の状況
  66歳以上まで働ける制度のある企業は43.3%(2.6ポイント増加)
  70歳以上まで働ける制度のある企業は41.6%(2.5ポイント増加)

(出典 厚生労働省)

【厚生労働省HP】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36506.html

https://www.mhlw.go.jp/content/11703000/001191169.pdf
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4.令和5年障害者雇用状況の集計結果の公表

厚生労働省は、民間企業や公的機関等における、令和5年の「障害者雇用状況」集計結果を取りまとめ公表した。

障害者雇用促進法では、事業主に対し、常時雇用する従業員の一定割合(法定雇用率、民間企業の場合は2.3%)以上の障害者を雇うことを義務付けている。今回の集計結果は、毎年6月1日現在の身体障害者、知的障害者、精神障害者の雇用状況について、障害者の雇用義務のある事業主等の報告に基づいたものである。

【集計結果の主なポイント】
1. 民間企業(法定雇用率2.3%)
(1)雇用障害者数、実雇用率ともに過去最高を更新
(2)雇用障害者数は、64万2,178.0人、対前年差2万8,220.0人増加、対前年比4.6%増加
(3)実雇用率2.33%、対前年比0.08ポイント上昇
(4)法定雇用率達成企業の割合は50.1%、対前年比1.8ポイント上昇

2. 公的機関(法定雇用率2.6%、都道府県等の教育委員会は2.5%)※( )は前年の値
(1)雇用障害者数、実雇用率ともに対前年で上回る
(2)国:雇用障害者数9,940.0人(9,703.0)、実雇用率2.92%(2.85%)
(3)都道府県:雇用障害者数1万627.5人(1万409.0人)、実雇用率2.96%(2.86%)
(4)市区町村:雇用障害者数3万5,611.5人(3万4,535.5人)、実雇用率2.63%(2.57%)
(5)教育委員会:雇用障害者数1万6,999.0人(1万6,501.0人)、実雇用率2.34%(2.27%)

3. 独立行政法人等(法定雇用率2.6%)※( )は前年の値
(1)雇用障害者数、実雇用率ともに対前年で上回る
(2)雇用障害者数1万2,879.5人(1万2,420.0人)、実雇用率2.76%(2.72%)

(出典 厚生労働省)

【厚生労働省HP】
https://www.mhlw.go.jp/content/11704000/001180701.pdf
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5.副業・兼業における割増賃金の支払いにかかわる労働時間の通算管理の検討

内閣府は令和5年12月26日に規制改革推進に関する中間答申を公表した。

当該答申の中で、副業・兼業における割増賃金の支払いにかかわる労働時間の通算管理の在り方について、労基法等の関係法令の行政解釈の変更を含め検討がなされている。令和6年度に、一定の結論を得ることを予定している。

(出典 内閣府)

【内閣府HP】
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/publication/opinion/231226point.pdf

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/publication/opinion/231226.pdf
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6.高度プロフェッショナル制度の適用労働者アンケート調査の実施

独立行政法人労働政策研究・研修機構は、高度プロフェッショナル制度が適用されている労働者の健康状態や労働者の意見、導入後の課題等の把握のため、高度プロフェッショナル制度の適用労働者に対してアンケート調査を実施・公表した。

【アンケート結果】
調査対象者 高度プロフェッショナル制度適用労働者 572人(調査票配布時点における全数)
有効回収数 254人 (有効回収率:44.4%)

  1. 男女比は、男性が82.3%、女性が16.9% 
  2. 年齢別では、「30代」が45.7%、「20代」が22.4%、「40代」が19.7%、「50代」が11.0%、「60代以上」が1.2%
  3. 対象業務の従事年数は、「3年未満」が44.9%。「3~5年未満」が15.0%、「5~10年未満」が11.8%、「10~20年未満」が15.4%、「20年以上」が13.0%
  4. 労働契約期間の有無については、「期間の定めがない(無期契約)」が87.0%、「期間の定めがある(有期契約)」は13.0%
  5. 現在の賃金の給与形態は、「年俸制」が81.1%、「月給制」が18.5%
  6. 現在の高度プロフェッショナル制度での働き方に対する認識では、「自分の能力を発揮して成果を出しやすい」「時間にとらわれず自由かつ柔軟に働くことができる」「賃金等の処遇に見合った働き方である」が8割台、「仕事の裁量が与えられることで、メリハリのある仕事ができる」「働きがいにつながっている」が7割台。一方、「働いている時間が長い」と「業務量が過大である」は6割前後
  7. 高度プロフェッショナル制度の適用により、自由で創造的な働き方ができているかについては、自由で創造的な働き方が「できている」の割合は84.2%
  8. 現在の高度プロフェッショナル制度での働き方は成果や働きがいに繋がっているかについては、成果や働きがいに「繋がっている」の割合は82.3%
  9. 高度プロフェッショナル制度が適用される前に比べての健康状態としては、「変わらない」が80.7%、「よくなった」が9.8%、「悪くなった」が9.4%
  10. 高度プロフェッショナル制度適用の満足度については、「満足」の割合は、87.7%
  11. 今後の高度プロフェッショナル制度適用の希望の有無については、「希望する」が89.4%

(出典 独立行政法人労働政策研究・研修機構)

【独立行政法人労働政策研究・研修機構HP】

https://www.jil.go.jp/institute/research/2023/235.html

https://www.jil.go.jp/institute/research/2023/documents/0235.pdf
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7.令和6年能登半島地震に伴う雇用調整助成金の特例を実施

厚生労働省は、令和6年1月11日に令和6年能登半島地震に伴う経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされ、雇用調整を行わざるを得ない事業主に対して、雇用調整助成金の特例措置を講じることを公表した。
特例措置の内容は以下の通り。
1. 要件緩和
(1)生産指標の確認期間を3ヶ月から1ヶ月に短縮
(2)最近3ヶ月の雇用量が対前年比で増加していても助成対象とする
(3)地震発生時に事業所設置後1年未満の事業主についても助成対象とする

2. 計画届の事後提出を可能とする

3. 特例対象期間
 令和6年1月1日から令和6年6月30日の間に開始した休業等または出向が対象となる

(出典 厚生労働省)

【厚生労働省HP】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37290.html

https://www.mhlw.go.jp/content/001188847.pdf
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編集後記

寒さが厳しい折、体調を崩しやすい季節ですので、くれぐれも体調にはお気をつけてお過ごしください。
法改正等目まぐるしく変わっていく中で、お困りごとがございましたらお気軽にご相談ください。また、「大槻タイムズ」でも皆様のお役に立てるよう随時最新の情報をお届けしてまいりますので、是非有効にご活用いただければと思います。

  【望月 信行】

                                                                                                                                                                   

【発行元・お問合せ】

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