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今月のTOPIC S
- 令和6年所得税定額減税QAを発表
- 第14回日本生産性本部「働く人の意識調査」公表
- 「外国人雇用状況」の届出状況を公表
- 全国健康保険協会の保険料率が改定
- 猶予事業に対し時間外労働上限規制適用へ
1. 令和6年所得税定額減税QAを発表
国税庁は令和6年度税制改正のための法案が成立した場合の令和6年度分所得税の定額減税の実施要領の案について、Q&Aを発表した。
「令和6年度税制改正の大綱」(令和5年12月22日閣議決定)において税制改正の内容が決定され、このQ&Aは「源泉徴収義務者が早期に準備に着手できるよう、財務省・国税庁は法案の国会提出前であっても、制度の詳細についてできる限り早急に公表するとともに、源泉徴収義務者向けのパンフレットの作成等広報活動を開始し、給付金担当を含む関係省庁や地方公共団体ともよく連携しながら、制度の趣旨・内容等について、丁寧な周知広報を行うこと」とされたことを受けたものである。
(出典 国税庁)
【国税庁HP】
https://www.nta.go.jp/users/gensen/teigakugenzei/index.htm
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0024001-021.pdf
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0023012-317.pdf
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2.第14回日本生産性本部「働く人の意識調査」公表
公益財団法人日本生産性本部は2月7日、新型コロナウイルス感染症が組織で働く人の意識に及ぼす影響の継続調査(第14回「働く人の意識調査」)結果を取りまとめ、公表した。本調査は、組織で働く雇用者を対象に、勤め先への信頼度や雇用・働き方に対する考え方などについて、2020年5月以降、四半期毎(前回7月調査より6か月に一回へ変更)にアンケートにより実施している。
14回目となる今回は、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが「5類」に移行してから約8か月が経過した1月9日(火)~10日(水)、20歳以上の日本の企業・団体に雇用されている者(雇用者=就業者から自営業者、家族従業者等を除いたもの)1,100名を対象にインターネットを通じて行った。調査結果から、現在の景況感について「悪い」「やや悪い」の合計が再び増加に転じるなど悲観的な見通しが増しており、また、テレワークの実施率が14.8%と過去最低を更新した。主な特徴は以下の通り。
1.現況:景況感「悪い」が再び増加、景気見通しは「どちらとも言えない」「悪い」が微増
・現在の景気について、「悪い」「やや悪い」の合計が60.9%と再び増加(前回7月調査:54.6%、2023年1月調査:76.1%)。今後の景気見通しは、「悪くなる」「やや悪くなる」の合計が微増する一方、「どちらとも言えない」も微増し、先行きの不透明感が増している。
・自身が新型コロナに感染する不安については、「かなり不安を感じている」(10.0%)、「やや不安を感じている」(35.8%)と、ともに調査開始以降最小を更新。
2.キャリア形成と人材育成:自身の市場価値「わからない」4分の1超、転職意向にも差
・「あなたに勤め先から支払われている給与はあなたのキャリアや能力、成果から見て、世の中の相場に見合っていると思うか」について、「相場より低いと思う」が36.0%と最多。一方、「わからない」は28.1%と2022年7月調査から引き続き約4分の1を占める。年代別では、20代、30代の3割以上が「わからない」と回答。
・転職意向について、「転職をするつもりはない」が63.7%と最多。業種別では「転職をしたいと考えている」割合の最多は「公務」44.6%で、「医療、福祉」39.8%、「製造業」39.1%と続く。
・「給与が相場に見合っているかわからない」雇用者の「転職をしたいと考えている」割合は19.8%であるのに対し、「相場よりも低いと思う」雇用者では50.5%と大きな差が生じた。
3.働き方の変化:テレワーク実施率は過去最低を更新、中・小規模企業の実施率低下
・テレワークの実施率は前回7月調査の15.5%から14.8%に減少し、過去最低を更新。従業員規模別では、1,001名以上の勤め先で増加したが、中・小規模企業の実施率は低下。年代別では30代が減少。
・今後もテレワークを行いたいかについて、「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」の合計は、前回7月調査の86.4%から78.5%へと減少。
・職場での生産性向上への取り組みの実施率をテレワーカー・非テレワーカー別にみると、全項目でテレワーカーの実施率が非テレワーカーを大きく上回る
(出典 公益財団法人日本生産性本部)
【公益財団法人日本生産性本部HP】
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/14th_workers_pressrelease.pdf
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3. 「外国人雇用状況」の届出状況を公表
厚生労働省は、令和5年10月末時点の外国人雇用についての届出状況を取りまとめ、公表した。
集計結果の主なポイントは次の通り。
【集計結果の主なポイント】
・外国人労働者数は2,048,675人で前年比225,950人増加し、届出が義務化された平成19年以降、過去最高を更新し、対前年増加率は12.4%と前年の5.5%から6.9ポイント上昇。
・外国人を雇用する事業所数は318,775所で前年比19,985所増加、届出義務化以降、過去最高を更新し、対前年増加率は6.7%と前年の4.8%から1.9ポイント上昇。
・国籍別では、ベトナムが最も多く518,364人(外国人労働者数全体の25.3%)、次いで中国397,918人(同19.4%)、フィリピン226,846人(同11.1%)の順。
・在留資格別では、「専門的・技術的分野の在留資格」が対前年増加率として最も大きく595,904人、前年比115,955人(24.2%)増加、次いで「技能実習」が412,501人、前年比69,247人(20.2%)増加、「資格外活動」が352,581人、前年比21,671人(6.5%)増加、「身分に基づく在留資格」が615,934人、前年比20,727人(3.5%)増加。一方、「特定活動」は71,676人、前年比1,687人(2.3%)減少。
(出典 厚生労働省)
【厚生労働省HP】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37084.html
https://www.mhlw.go.jp/content/11655000/001195785.pdf
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4.全国健康保険協会の保険料率が改定
令和6年度の協会けんぽの健康保険料率および介護保険料率が改定される。令和6年3月分(4月納付分)からの適用となる。なお、40歳から64歳までの介護保険第2号被保険者は、これに全国一律の介護保険料率(1.60%)が加わる。
(出典 全国健康保険協会)
【全国健康保険協会HP】
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat330/sb3130/r06/240205/
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5.猶予事業に対し時間外労働上限規制適用へ
働き方改革の一環の時間外労働限上限規制に対し、業務の特殊性や取引慣行の課題がある以下の事業・業務について適用が5年間猶予されていたが、2024年4月以降上限規制が適用される。主なポイントは次の通り。
【厚生労働省HP】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/topics/01.html
https://hatarakikatasusume.mhlw.go.jp/
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編集後記
厳しい寒さも少しずつおさまり、春の気配を感じるころとなりました。三寒四温の気温の変化に、年度末の繁忙がかさなり、体調管理の難しい季節です。
また、新年度に向けて大きくプライベートや職場環境が変わる方、家族が新しい第1歩を踏み出す方もおられ、3月は変化への準備の月です。皆様の変化に「大槻タイムズ」がすこしでもお役に立てるよう随時最新の情報をお届けしてまいりますので、是非有効にご活用いただければと思います。
【鈴木麻耶】
【発行元・お問合せ】
社会保険労務士法人大槻経営労務管理事務所
〒104-0061
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