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今月のTOPIC S
- 令和6年度東京労働局行政運営方針を策定
- 日・イタリア社会保障協定が発効
- 「職種限定雇用者に対し一方的配置転換は違法」と最高裁判断、高裁へ差し戻し
- 最高裁判断において事業場外みなしの適用を否定した二審判決を破棄、差し戻し
- 「不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査」結果について公表
- 令和6年度東京労働局行政運営方針を策定
東京労働局は、令和6年4月1日付けで策定された「地方労働行政運営方針」を元に、「令和6年度東京労働局行政運営方針」を策定、公表した。
内容は以下の通り。
Ⅰ 労働行政を取り巻く情勢
Ⅱ 現下の経済状況を踏まえた総合労働行政機関としての施策の推進
Ⅲ 最低賃金・賃金の引上げに向けた支援、非正規雇用労働者の処遇改善等
Ⅳ リ・スキリング、労働移動の円滑化等の推進
Ⅴ 多様な人材の活躍と魅力ある職場づくり
(出典 厚生労働省)
【東京労働局HP】
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/001790743.pdf
【厚生労働省HP】
https://www.mhlw.go.jp/content/10401000/001238524.pdf
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2.日・イタリア社会保障協定が発効
令和6年1月12日、「社会保障に関する日本国とイタリア共和国との間の協定」(平成21年2月6日署名)の効力発生のための外交上の公文の交換が東京で行われた。これにより、この協定は令和6年4月1日より効力を生ずることとなった。日・イタリア社会保障協定は、日本にとって23番目の社会保障協定となる。
これまで、日本およびイタリアの企業からそれぞれ相手国に一時的に派遣される被用者等(企業駐在員等)には、両国で年金制度への加入が義務付けられていたため、保険料の二重払いの問題が生じていた。日・イタリア社会保障協定は、この問題を解決することを主な目的としており、この協定の規定により、派遣期間が5年以内の見込みの一時派遣被用者等は、原則として、派遣元国の年金制度にのみ加入すればよいこととなった。
(出典 厚生労働省)
【厚生労働省HP】
https://www.mhlw.go.jp/stf/pressrelease_nenkink20240112_00001.html
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3. 「職種限定雇用者に対し一方的配置転換は違法」と最高裁判断、高裁へ差し戻し
「滋賀県社会福祉協議会」が運営する施設の元職員の男性が、職種限定合意があったにも関わらず配置転換を命じたのは違法だとして同協議会に110万円の賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第二小法廷は4月26日、職種限定合意がある場合は同意のない配転を命じる権限はないと判断し、命令を適法とした二審大阪高裁判決を破棄、審理を差し戻した。
労使の同意を重視する今回の最高裁判決を踏まえ、今後、企業は実務上労働者との合意形成をどのように図るかが問われる。
(出典 最高裁判所)
【裁判所HP】
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=92928
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⒋最高裁判断において事業場外みなしの適用を否定した二審判決を破棄、差し戻し
「事業場外みなし労働時間制」の適用は不当だとして、外国人技能実習生の指導員だった女性が元勤務先に残業代の支払いを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷は4月16日、適用を否定して女性の訴えを一部認めた二審福岡高裁判決を破棄し、審理を差し戻した。
労働時間算定が困難な場合に一定時間働いたとみなす「事業場外みなし労働時間制」の適否が争点の本裁判にて、二審は、日報で具体的な労働時間を把握できており「労働時間を算定し難いとき」に当たらないとしていたが、最高裁は、日報の内容の正確性が客観的に担保されていたと評価できないと指摘、実態を反映した記録といえるかを改めて検討すべきだとした。
(出典 最高裁判所)
【裁判所HP】
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=92906
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⒌「不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査」結果について公表
厚生労働省は、令和5年度に委託事業「不妊治療を受けやすい休暇制度等環境整備事業」の中で、企業および労働者に対し不妊治療と仕事の両立に関するアンケート調査を行い、その結果を公表した。
〈調査概要〉
1 企業アンケート調査
・調査対象:「女性の活躍推進企業データベース」においてデータ公表を行っている企業から、従業員規模10 人以上の企業6000社を無作為で抽出(回答数1,859社)
・調査期間:2023年7月28日~8月18日
2 労働者アンケート調査
・調査対象:男女労働者2000人(以前就労しており、現在は離職中の者を含む)
・調査期間:2023年8月23日~8月24日
〈調査結果のポイント〉
・不妊治療を行っている従業員が受けられる支援制度等がある企業の割合は26.5%
・不妊治療をしたことがあるまたは近い将来予定していると答えた人の割合は14.5%
・不妊治療をしたことがあると答えた人のうち、不妊治療と仕事の両立ができずに仕事を辞めた人は10.9%
・労働者が、行政に望む支援として一番多い回答は、「企業における不妊治療と仕事との両立を支援するための 勤務時間、休暇等に関する制度の導入を促す」
(出典 厚生労働省)
【厚生労働省HP】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_39168.html
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編集後記
6月になり梅雨入りも近づいてまいりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。社会保険手続きの繁忙期に差し掛かってくる時期でもありますが、今年は定額減税のご対応もあり、人事部門の皆さまの中には例年にも増してお忙しくなる方もいらっしゃると存じます。大槻タイムズでは、皆さまのサポートができるよう引き続き有益な情報を発信してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【永野奈々】
【発行元・お問合せ】
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